106E52

75歳の男性。右下肢の浮腫とそれに伴う歩行困難とを主訴に来院した。健康診断は5年以上受けていなかった。意識は清明。身長165cm、体重56kg。体温36.1℃。脈拍64/分、整。血圧124/66mmHg。呼吸数16/分。頸静脈の怒張を認めない。右下肢全体に圧痕性浮腫を認める。足背動脈の拍動は両側で触知する。右殿部に手拳大で弾性硬の無痛性腫瘤を認める。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL、アルブミン2.9g/dL。骨盤部単純CTで、右殿部から骨盤腔内に連続する巨大な腫瘤を認める。
この患者の病態で正しいのはどれか。
心性浮腫
腎性浮腫
静脈性浮腫
内分泌性浮腫
リンパ性浮腫

解答: c

106E52の解説

右下肢の浮腫と歩行困難を主訴とする75歳男性。片側性の浮腫、圧痕性浮腫であること、また、骨盤部単純CTで右臀部から骨盤腔内に連続する巨大な腫瘤を認めることがポイント。
a・b 心性・腎性浮腫の場合は両側性である。
c 正しい。右臀部の占拠性病変が静脈を圧迫していることによると考えられる。
d 内分泌性浮腫は脚気や甲状腺機能低下症などで生じるが、全身性に認める。
e リンパ性浮腫は蛋白が漏出することにより生じるもので、非圧痕性浮腫である。大半の受験者はeを選択した。

正答率:67%

テーマ:右殿部に巨大な腫瘤を認める高齢男性の浮腫の鑑別

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