106E45

78歳の男性。全身麻酔で冠動脈バイパス術を受けた。手術終了後、未覚醒の状態で、人工呼吸管理下にある。心拍数 92/分、整。血圧 132/72mmHg。動脈血ガス分析(100%酸素投与下):pH 7.30、PaCO2 53Torr、PaO2 270Torr、HCO3- 22mEq/L。術前と術後の胸部エックス線写真(A、B)を別に示す。
術後の病態として最も考えられるのはどれか。
気胸
胸水
無気肺
肺塞栓
縦隔血腫

解答: c

106E45の解説

全身麻酔で冠動脈バイパス術を受けた78歳男性。術前の胸部エックス線写真(A)と比べて術後(B)では右上肺野で透過性が低下しており、無気肺が示唆される。人工呼吸器管理下での動脈血ガスでは、PaCO2が上昇し呼吸性アシドーシスを呈しているにもかかわらずHCO3-は上昇していない。代償されていないことから、急性変化と考えられる。
a 気胸であれば肺が虚脱し胸腔内の一部の透過性が亢進している所見をみるはず。
b 胸水であれば、肋骨横隔膜角が鈍となる所見がみられる。
c 正しい。右上葉に含気がなく無気肺と考えられる。
d 肺塞栓では肺動脈の拡張をみるはずだが、そのような所見は認めない。
e 縦郭の拡大は認めない。

正答率:86%

テーマ:全身麻酔による術後無気肺

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