106D30

29歳の男性。排尿時痛を主訴に来院した。14日前に性行為感染の機会があった。2日前から排尿時痛と漿液性の尿道分泌物とを自覚するようになったため受診した。外尿道口周囲に発赤を認めない。触診で陰嚢部に異常を認めない。直腸指診で前立腺に異常を認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血(-)、沈渣に赤血球1~5/1視野、白血球10~20/1視野。尿道分泌物のGram染色で細菌を認めない。
この疾患の原因として考えられるのはどれか。
Chlamydia trachomatis
Herpes simplex virus
Human papillomavirus
Neisseria gonorrhoeae
Treponema pallidum

解答: a

106D30の解説

排尿時痛の鑑別としては、膀胱炎、前立腺炎なども考えられるが、尿道分泌物の存在や陰嚢・前立腺に異常を認めないことから、尿道炎が最も考えられる。若年男性の排尿時痛では性感染症としての尿道炎が最も多く、女性では急性膀胱炎が最も多い。さらに、膿性の分泌物ではなくGram染色で最近を認めないことから、非淋菌性尿道炎であると考えられる。
a 正しい。非淋菌性尿道炎では最も頻度が高い。確定診断には、尿PCRを行いクラミジアDNAを検出する必要がある。
b 性器ヘルペスでは、かゆみを伴う発疹や水疱が生じ潰瘍となり強い痛みを伴う。
c 女性で子宮頸がんの原因となるウイルスだが、男性では症状を認めない。
d 淋菌のことである。淋菌性尿道炎では、排尿時の尿道灼熱感をや尿道からの膿性分泌物を認める。また、Gram染色ではグラム陰性の双球菌を認めるため本症例では合致しない。
e 梅毒のことである。初期では無痛性の硬結や陰茎に硬性下疳を認める。本症例とは合致しない。

正答率:92%

テーマ:クラミジア性尿道炎の原因菌

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