106D24

53歳の男性。突然生じた強い左背部痛のため搬入された。2年前から痛風で尿酸排泄促進薬を内服している。身長175cm、体重91kg。体温36.0℃。脈拍76/分、整。血圧162/92mmHg。呼吸数16/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野、白血球1~5/1視野。血液所見:赤血球428万、Hb 13.6g/dL、Ht 38%、白血球7,800、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アルブミン3.9g/dL、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸7.0mg/dL、Na 138mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 102mEq/L。CRP 0.1mg/dL。腹部超音波検査で左水腎症を認める。腹部エックス線写真で異常を認めない。
診断に有用なのはどれか。
尿培養
膀胱鏡検査
レノグラム
腹部単純CT
左腎動脈造影

解答: d

106D24の解説

a 尿路感染症を疑う場合必要な検査であるが、発熱はなく尿・血液所見で白血球の増多もないため否定的である。
b 膀胱内腫瘍や慢性的な排尿障害で異常を認める。本症例ではそれらを疑う所見はないため行う検査ではない。
c 放射性物質を用いる検査で、分腎機能評価が可能である。しかし本症例は典型的な尿路結石症であり、診断には用いられない。
d 正しい。本症例では既往に痛風があり、尿管結石は尿酸結晶によるものと考えられる。尿酸結晶はエックス線に写らないため、確定診断のためにはCTが有用である。
e 腎臓癌や副腎腫瘍、腎塞栓で行われるが、大腿から腎動脈までカテーテルを挿入する必要がありかなり侵襲度が高い検査である。

正答率:94%

テーマ:尿路結石の診断に有用な検査

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