106A49

45歳の女性。左下腿の皮疹を主訴に来院した。1か月前に左下腿に紅斑が生じ、急速に拡大してきたという。30歳時に潰瘍性大腸炎と診断され、自宅近くの診療所でメサラジンの内服治療を受けている。意識は清明。身長158cm、体重52kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧134/80mmHg。呼吸数16/分。左下腿に巨大な潰瘍を認める。潰瘍面の細菌培養は陰性である。左下腿の写真を別に示す。
診断として最も考えられるのはどれか。
蜂巣炎
環状肉芽腫
基底細胞癌
壊死性筋膜炎
壊疽性膿皮症

解答: e

106A49の解説

画像では、中心部に潰瘍を伴う紅斑がみられる。潰瘍性大腸炎の既往があることと、1か月前と比較的急に出現したこと、細菌培養が陰性であったことから壊疽性膿皮症を考える。
a・d 蜂巣炎(蜂窩織炎)と壊死性筋膜炎では細菌感染が原因であるので誤り。
b 環状肉芽種は外傷、虫刺さされを契機として肉芽が増生する疾患である。本例は発症の契機がなく、画像でも肉芽が認められないため誤り。
c 基底細胞癌は多くが顔面と頭部に発生する。また1か月と急速に進行することも考えにくい。
e 正しい。上記の通り。

正答率:85%

テーマ:壊疽性膿皮症の診断

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