106I42

36歳の男性。発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。4週前に口蓋扁桃摘出術を受けた。3週前から悪寒戦慄を伴う37~40℃の発熱があり、市販の総合感冒薬を内服しても解熱しなかったため受診した。息苦しさは自覚していない。脈拍100/分、整。血圧120/82mmHg。心尖部に収縮期雑音を聴取する。両手掌に2mm大の小出血斑を認める。血液所見:赤血球310万、Hb 11.2g/dL、Ht 30%、白血球15,800、血小板15万。CRP 10mg/dL。血液培養の結果はまだ分からない。心エコー図を別に示す。
直ちに開始する治療として適切なのはどれか。
緊急手術
抗菌薬の投与
抗ウイルス薬の投与
免疫グロブリンの投与
ステロイドパルス療法

解答: b

106I42の解説

3週間前から続く発熱を主訴とする36歳男性。4週前に口蓋扁桃摘出術を受けている。心エコー図(胸骨左縁長軸断面像)にて、僧帽弁に疣贅を認めていることから感染性心内膜炎〈IE〉と診断する。両手掌に2mm大の小出血斑はJaneway病変でありIEとして矛盾しない。
a IEの治療において、抗菌薬治療に耐性の例や心不全の出現例では手術適応となる。
b 正しい。まずは早期に抗菌薬を投与する。
c 白血球やCRPが上昇しており細菌性を疑うため、抗ウイルス薬ではなく抗菌薬を投与する。
d 免疫グロブリンは重症感染症の場合に補助的に用いることはあるが、「直ちに開始する治療」ではない。
e ステロイド大量投与により免疫が抑制され病態を悪化させる。禁忌である。

正答率:93%

テーマ:感染性心内膜炎〈IE〉で直ちに開始する治療

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