106E64

次の文を読み、64~66の問いに答えよ。
22歳の女性。運動時の疲労感と「理由もなく氷が食べたくなる」ことを主訴に受診した。
現病歴:受診3か月前の1月から、運動時の疲労感が強いことを自覚するようになった。所属している大学剣道部の最後の大会を夏に控え、特に熱心に練習していたので、そのための疲労感だろうと考えていた。4月になると、軽い稽古だけで今までよりも強い疲労感を感じるようになったが、3月にあった春合宿の疲労が残っているものと考えてそのままにしていた。ただ、暑くもないのに氷が食べたくなるときが増えたことは気になっていた。本日、大学内の医務室前を通りがかったとき、偶然「寒い日でも氷が食べたくなったときは医務室へ相談を!」と書かれたポスターが目に入り、心配になったため受診した。
既往歴:12歳時に虫垂炎の手術を受けた。
生活歴:喫煙・飲酒はしない。
家族歴:母(48歳)が脂質異常症で内服加療中。父(52歳)は高血圧症で内服加療中。妹(18歳)と弟(15歳)とは健康である。
月経歴:初経13歳。周期28日型、整。
現 症:意識は清明。身長152cm、体重40kg。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
この患者に対する医療面接で、重要度が低い情報はどれか。
経血量
便の色調
偏食の有無
貧血の家族歴
氷を食べたくなる時間帯

解答: e

106E64の解説

「理由もなく氷を食べたくなる(異食症)」という主訴が特徴的。鉄欠乏性貧血を思い浮かべたい。選択肢には貧血の原因となる項目が並んでいる。
a 性器出血により鉄欠乏性貧血をきたしうる。
b 持続的血便により鉄欠乏性貧血をきたしうる。
c 偏食と聞くとビタミンB12、葉酸欠乏の大球性貧血が思い浮かぶが、鉄欠乏性貧血もきたすことがある。聞いておきたい項目である。
d 家族性の貧血の可能性もあるため、家族歴は聴取する。
e 誤り。氷を食べたい時間を聞いても疾患が絞り込めない。

正答率:89%

テーマ:【長文1/3】異食症を呈する鉄欠乏性貧血の医療面接で重要度の低い情報

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし