106D47

81歳の男性。1か月前からの労作時の呼吸困難を主訴に来院した。生来健康で農作業に従事していた。脈拍76/分、整。血圧126/74mmHg。頸動脈拍動の立ち上がりが遅い。胸骨右縁第2肋間に収縮中期性〈収縮期駆出性〉雑音が聴取され、頸部に放散する。下腿に浮腫を認めない。心電図で左室肥大を認める。胸部エックス線写真で異常を認めない。カラードプラ心エコー図(A)と連続波ドプラ法で記録した左室駆出血流速パターン(B)とを別に示す。
治療として適切なのはどれか。
利尿薬の投与
カルシウム拮抗薬の投与
アンジオテンシンII受容体拮抗薬の投与
僧帽弁輪縫縮術
大動脈弁置換術

解答: e

106D47の解説

1か月前からの労作時呼吸困難を主訴に来院した81歳の男性。遅脈と収縮期駆出性雑音、左室肥大所見を認める。心エコーでは大動脈弁にモザイク像を認め大動脈弁狭窄症の診断である。左室駆出血流は4m/sを超え、重症と判断できる。
a 利尿薬の投与は前負荷を下げ、心拍出量を減らすため投与しない。
b・c 血圧を過度に下げる恐れがあり本患者には使用しない。
d 僧帽弁疾患ではないため不適切。
e 正しい。生来健康でADLも自立しており大動脈弁置換術の適応となる。

正答率:100%

テーマ:大動脈弁狭窄症〈AS〉の治療

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