106A44

86歳の男性。右上腹部痛を主訴に来院した。数日前から食後の右上腹部痛と背部痛とが出現し、次第に増悪してきたため受診した。意識は清明。体温38.2℃。脈拍104/分、整。血圧108/62mmHg。呼吸数18/分。眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。心窩部に圧痛を認める。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球458万、Hb 12.9g/dL、Ht 42%、白血球16,100、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.6g/dL、アルブミン3.9g/dL、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、総コレステロール246mg/dL、総ビリルビン8.9mg/dL、直接ビリルビン6.2mg/dL、AST 761U/L、ALT 405U/L、LD 177U/L(基準176~353)、ALP 563U/L(基準115~359)、γ-GTP 231U/L(基準8~50)、アミラーゼ2,436U/L(基準37~160)、Na 136mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 98mEq/L。免疫学所見:CRP 18mg/dL。CEA 3.2ng/mL(基準5以下)。腹部単純CT(A)と十二指腸乳頭部内視鏡写真(B)とを別に示す。
治療として適切なのはどれか。
抗菌薬の局所注入
膵頭十二指腸切除術
内視鏡的乳頭切開術
アルゴンレーザー照射
体外衝撃波結石破砕術

解答: c

106A44の解説

右上腹部痛を主訴に来院した86歳男性。発熱、黄疸、右季肋部痛(Charcot 3徴)を認め、胆管炎を示唆する。Aでは十二指腸内のVater乳頭部付近に結石を認めている。またBでは発赤し排膿を認めるVater乳頭が写っており、乳頭部胆石嵌頓に伴う急性胆管炎を考える。
a 局所注入ではなく経静脈投与である。
b 膵頭部癌や十二指腸乳頭部癌で行う術式である。
c 正しい。切開し結石除去および排膿を行う。
d 出血性の消化性潰瘍にアルゴンレーザー焼灼を行うことがある。
e 胆嚢内結石や尿路結石で行う。

正答率:73%

テーマ:急性胆管炎の治療

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