105I70

48歳の女性。前頸部の疼痛を主訴に来院した。2週前に咽頭痛と38℃台の発熱とがあり解熱薬を服用した。3日前から前頸部に疼痛を伴う腫脹が生じた。腫脹は増悪し、疼痛が激しくなったため受診した。身長159cm、体重60kg。体温38.4℃。呼吸数24/分。脈拍92/分、整。血圧132/78mmHg。甲状腺右葉下極が腫大し、同部に自発痛と圧痛とを認める。血液所見:赤血球420万、Hb 12.6g/dL、Ht 39%、白血球9,000、血小板22万。血液生化学所見:LD 234U/L(基準176~353)、ALP 394U/L(基準115~359)、TSH 0.06μU/mL(基準0.2~4.0)、T3 240ng/dL(基準80~220)、T4 15.8μg/dL(基準5~12)。
この患者で上昇していると考えられるのはどれか。2つ選べ
サイログロブリン
CRP
抗TSH受容体抗体
甲状腺放射性ヨード摂取率
腫大部位のエコー輝度

解答: a,b

105I70の解説

中年女性の前頸部の疼痛。前駆する感染があり、甲状腺右葉下極が腫大し、同部に自発痛と圧痛とを認めている。TSH低値、T3, T4高値より甲状腺機能亢進症である。以上より亜急性甲状腺炎の診断。
a 正しい。甲状腺組織の崩壊によりサイログロブリンが漏出する。
b 正しい。炎症によりCRPが高値を示す。
c 抗TSH受容体抗体がみられるのはBasedow病
d 甲状腺放射性ヨード摂取率は低下する(崩壊による摂取低下)。
e 腫大部位のエコー輝度は低下する。

正答率:70%

テーマ:亜急性甲状腺炎の検査所見

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