105I52

28歳の男性。人前に出るのが怖くなったため、自ら治療を希望して精神科外来を受診した。3か月前から誰かと会って話をするときに、その相手を殴ってしまうのではないかと繰り返し考えるようになった。自分でもばかばかしいことと感じているが、最近では閉じこもりがちの生活に陥っている。
最も考えられるのはどれか。
パーソナリティー障害
妄想性障害
解離性障害
強迫性障害
適応障害

解答: d

105I52の解説

「人前に出るのが怖」い、という記載からは社交不安障害を考える。が、「その相手を殴ってしまうのではないかと繰り返し考えるようになった」という記載からは強迫性障害の方が診断としてふさわしそうだ。不合理さを自覚していることも矛盾しない。
a パーソナリティー障害は除外的に診断する。本症例では強迫性障害が最も考えやすく、あえてパーソナリティー障害の診断はあてない。
b 妄想性障害では単一の妄想が出現する。本患者では妄想はみられていない。
c 解離性障害では自己の同一性が阻害される。本患者では自我障害がみられておらず、否定的。
d 正しい。上記の通り。
e 明確なストレス因子をきっかけとして起こる精神症状を指す。本症例では明確なストレスエピソードがないため否定的。

正答率:94%

テーマ:強迫性障害の診断

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