105I47

62歳の女性。貧血を主訴に来院した。高血圧症の治療中、血液検査で貧血を指摘され、消化管の精査のために紹介された。意識は清明。身長168cm、体重57kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧136/86mmHg。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球302万、Hb 7.9g/dL、Ht 26%、白血球8,100、血小板15万。血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン3.4g/dL、尿素窒素19mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、総ビリルビン1.8mg/dL、AST 26U/L、ALT 34U/L、LD 540U/L(基準176~353)、ALP 286U/L(基準115~359)、Na 138mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102mEq/L。免疫学所見:CRP 0.8mg/dL、CEA 2.8ng/mL(基準5以下)、CA19-9 26U/mL(基準37以下)。上部消化管内視鏡検査で胃内に病変を認める。胸腹部CTでは胃の病変以外に異常を認めない。上部消化管内視鏡写真を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
手術
動脈塞栓術
放射線治療
ステント留置
抗癌化学療法

解答: a

105I47の解説

上部消化管内視鏡写真では胃噴門部に不整な隆起性腫瘤を認める。一部出血を伴っていることから貧血の原因として1型進行胃癌が疑われる。
a 正しい。問題文に胃以外の病変を認めないと記載されていることから転移は無いと解釈する。
b 肝細胞癌や出血性病変の治療法である。
c・e 胃切除術をまずは行うべきである。補助的に行うことはあるが選択肢としてはaをまず答える。
d ステント留置は末期患者で通過障害を生じた場合に行う。

正答率:93%

テーマ:胃癌の治療

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