105I46

70歳の女性。自宅近くの診療所で初めて受けた血液検査で異常を指摘され来院した。飲酒歴はない。輸血歴はない。常用薬はない。意識は清明。身長158cm、体重74kg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球310万、Hb 10.9g/dL、Ht 31%、白血球4,200、血小板9.7万、PT 68%(基準80~120)。血液生化学所見:HbA1c 6.8%(基準4.3~5.8)、アルブミン3.3g/dL、IgG 2,614mg/dL(基準739~1,649)、IgM 82mg/dL(基準46~260)、総コレステロール122mg/dL、トリグリセリド140mg/dL、AST 84U/L、ALT 98U/L、γ-GTP 62U/L(基準8~50)。免疫学所見:HBs抗原・抗体陰性、HBc抗体陰性、HCV抗体陰性、抗核抗体陰性、抗ミトコンドリア抗体陰性。腹部超音波検査で肝表面の凹凸不整、肝腎コントラストの明瞭化および軽度の脾腫を認める。
最も考えられるのはどれか。
薬物性肝障害
自己免疫性肝炎
原発性胆汁性胆管炎
特発性門脈圧亢進症
非アルコール性脂肪性肝炎

解答: e

105I46の解説

飲酒歴はないが、肝機能障害を認める。腹部超音波検査で肝表面の凹凸不整、肝腎コントラストの明瞭化を認めていることから脂肪肝の存在が示唆される。
a 常用薬はなく、否定的。
b 抗核抗体陰性であり、否定的。
c 抗ミトコンドリア抗体は陰性であり、否定的。
d 特発性門脈圧亢進症は静脈還流系における肝臓より手前の病変のため、肝機能障害は呈さない。
e 正しい。アルコール非摂取による脂肪肝を非アルコール性脂肪性肝炎〈NASH〉と呼ぶ。

正答率:75%

テーマ:非アルコール性脂肪性肝炎の診断

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