105I45

71歳の男性。上腹部不快感を主訴に来院した。2週前に上腹部の不快感が出現し徐々に増悪してきた。意識は清明。身長165cm、体重54kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球440万、Hb 14.1g/dL、Ht 41%、白血球6,200、血小板26万。血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン4.0g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL、AST 14U/L、ALT 5U/L、LD 267U/L(基準176~353)、ALP 79U/L(基準115~359)、γ-GTP 15U/L(基準8~50)、Na 144mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 106mEq/L。免疫学所見:CEA 8.4ng/mL(基準5以下)、CA19-9 1,772U/mL(基準37以下)。腹部造影CT(A、B)と内視鏡的逆行性胆管膵管造影写真〈ERCP〉(C)とを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
膵癌
膵嚢胞
慢性膵炎
下部胆管癌
十二指腸乳頭部癌

解答: a

105I45の解説

腹部造影CT(A)で膵頭部で造影不良を伴う腫瘤を認め、(B)で膵体部の膵管拡張を認めている。膵液のうっ滞が示唆される。ERCPでは一部膵管の狭小化を認め、尾部膵管が拡張している。以上の所見とCA19-9の高値から、膵頭部癌が疑われる。
a 正しい。上述の通り。
b・c 画像検査にて膵頭部に腫瘤性病変を認めること、腫瘍マーカーが上昇していることから悪性腫瘍を疑う。
d 下部胆管癌では肝・胆道系酵素が上昇する。
e 膵頭部の腫瘤性病変であり、十二指腸乳頭部癌では説明がつかない。

正答率:72%

テーマ:膵癌の診断

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