105I38

45歳の女性。自転車で走行中に車と衝突し、直後から意識障害をきたしたため搬入された。入院時および翌日の頭部単純CTに異常を認めなかった。入院後3日で意識が回復し、上下肢には麻痺を認めず、歩行も正常であった。日常会話に支障はないが、食事後5分経つと食事をしたことを忘れている。自分では物覚えは正常だと思っている。行きたいところがあると、一人でどんどんその方向に歩いて行ってしまう。この患者が入院後3週で自宅に退院することとなった。
家族への説明で適切でないのはどれか。
口論しやすい。
浪費しやすい。
転倒しやすい。
戸締りを忘れやすい。
火を消し忘れやすい。

解答: c

105I38の解説

交通事故直後の意識障害と数日後からみられた高次機能障害。びまん性軸索損傷〈DAI〉が考えやすい。問題回答にあたっては「食事後5分経つと食事をしたことを忘れている(→認知症)」「一人でどんどんその方向に歩いて行ってしまう(→脱抑制)」をヒントに最も考えにくいものを選べばよい。
a・b 脱抑制に該当する。
c 誤り。転倒しやすくなる可能性はゼロとは言えないが、本文中に記載がなく積極的には選びにくい。
d・e 認知症症状に該当する。

正答率:75%

テーマ:脳外傷後の前頭側頭障害の症状

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