105G59

次の文を読み、59~61の問いに答えよ。
39歳の初産婦。妊娠41週2日、陣痛発来のため入院した。
現病歴:妊娠初期から定期的に妊婦健康診査を受けている。これまでの超音波検査で子宮体部右側に直径5cm大の漿膜下筋腫を指摘されている。その他には妊娠経過に特記すべきことはない。本日午前1時から10分周期の規則的な陣痛が発来したが自宅で待機していた。午前9時に来院した。
既往歴:15歳で虫垂炎手術。
家族歴:母親が2型糖尿病。
月経歴:初経12歳。周期28日、整。
現 症:意識は清明。身長162cm、体重71kg(非妊時63kg)。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧124/76mmHg。子宮底長37cm、腹囲96cm。下腿に浮腫を認めない。Leopold触診法で児背を母体の左側に触れる。陣痛周期は3分。内診所見:先進部は小泉門で母体の左後方に触れる。子宮口5cm開大、展退度60%、児頭下降度SP +1cm。子宮口の位置は中央、硬さは軟である。未破水である。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。超音波検査では羊水ポケット1cm、胎児推定体重3,500g。胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数パターンに異常を認めない。
入院時の診断として正しいのはどれか。2つ選べ
微弱陣痛である。
第2胎向である。
第2回旋の異常である。
Bishopスコアは4点である。
児頭最大周囲径の位置は骨盤闊部にある。

解答: c,e

105G59の解説

産婦人科分野の各論について包括的に学ぶことが出来る良問。陣痛が発来した妊娠41週2日、39歳の初産婦である。
a 微弱陣痛とは陣痛周期が6分半を越えている状態であり、陣痛周期が3分である本例では当てはまらない。
b Leopold触診法で児背を母体の左側に触れるため第1胎向である。
c 正しい。先進部は小泉門で母体の左後方に触れることから第1後方後頭位であり、第2回旋の異常である。
d 子宮口5cm開大(3点)、展退度60%(2点)、児頭下降度SP+1cm(3点)。子宮口の位置は中央(1点)、硬さは軟(2点)であり、Bishopスコアは11点である。
e 正しい。児頭下降度SP+1cmであり、児頭最大周囲径の位置は骨盤闊部にある。

正答率:60%

テーマ:【長文1/3】分娩の経過

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