105G54

50歳の男性。食事の際の胸につかえる感じを主訴に来院した。数年前から急いで食事をすると胸のつかえ感が出現するため、食習慣に注意していたが症状はゆっくり進行し、最近では嘔吐することもあった。体重は最近1年間で5kg減少した。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。上部消化管内視鏡検査では食道の拡張、食道内の食物残渣および胃粘膜の軽度萎縮を認める。上部消化管造影写真(A)と次に行った食道内圧検査の結果(B①~⑤)とを別に示す。
嚥下時の食道内圧検査所見のうち、確定診断の根拠となったのはどれか。2つ選べ
①の収縮圧が低い。
②~④で同時に収縮している。
②~④で第2の弱い収縮を認める。
③の収縮圧が低い。
⑤の圧が下がらない。

解答: b,e

105G54の解説

上部消化管造影写真では食道下部でくちばし状変形を認めており、食道アカラシアを疑う。
a 収縮圧の低下は認めない。
b 正しい。蠕動波の消失を認める。
c アカラシアに特徴的ではない。
d 食道中部での収縮圧はアカラシアの診断とは関係がない。
e 正しい。下部食道括約筋圧〈LES圧〉の上昇を認める。

正答率:93%

テーマ:食道アカラシアの食道内圧検査

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