105E59

48歳の女性。性器出血を主訴に来院した。5年前から性交時に性器出血を認め、1年前から下腹部痛と腰痛とを自覚している。子宮頸部に径7cmで易出血性の腫瘤を認めた。子宮頸癌IIIb期と診断され、手術療法は適応外と判断された。体温37.2℃。血液所見:赤血球285万、Hb 7.0g/dL、Ht 23%、網赤血球1.0%、白血球9,500、血小板25万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.5g/dL、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL、AST 30U/L、ALT 22U/L。CRP 2.4mg/dL。
治療として適切なのはどれか。3つ選べ
輸血
30Gyの腔内照射
70Gyの外部照射
アルブミンの投与
シスプラチンの投与

解答: a,b,e

105E59の解説

子宮頸癌IIIb期ということは、癌浸潤が骨盤腔まで達している、ないしは尿管浸潤があり水腎症が生じている状態である。治療は化学放射線療法となる。
a 正しい。赤血球285万、Hb 7.0g/dL、Ht 23%と貧血を呈している。この改善に輸血を行う。
b 正しい。部位によって多少の差異はあるが、ある1つの器官が生涯で曝露してもよい放射線量は50-60Gyほどであり、それ以上では正常細胞も死滅してしまう。放射線治療ではこれを越えない程度の30-40Gyを総量とすることが多い。
c bで示したように、70Gyは多すぎる。
d アルブミン量は3.5g/dLと低めではあるが、今すぐ補わないと生命が失われたり、あるいは放射線治療に支障をきたすわけではない。
e 正しい。子宮頸癌に対する化学療法では、プラチナ製剤単独もしくはそれを含む合剤が選択させる。

正答率:70%

テーマ:子宮頸部IIIb期の患者の治療方針

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