105E55

70歳の女性。歩行障害を主訴に来院した。半年前にくも膜下出血を発症し、開頭手術を受けた。軽度の右下肢麻痺のために2か月間のリハビリテーションを受け、症状を残さず自宅に退院していた。3か月前から、徐々に動きが鈍くなり、家でじっとしていることが多くなった。歩行は緩慢であり、尿失禁も時々みられるようになった。神経学的所見で見当識障害や短期記憶障害がみられ、Mini-Mental State Examination〈MMSE〉は15点(30点満点)である。四肢の運動麻痺や筋強剛を認めないが、歩行は小刻みで緩慢である。
最も考えられるのはどれか。
Parkinson病
反応性うつ病
正常圧水頭症
血管性認知症
Alzheimer型認知症

解答: c

105E55の解説

高齢女性の歩行障害を主訴に来院した。半年前にくも膜下出血のため開頭手術を受けており、その後遺症と思われる。尿失禁と認知症もみられており、正常圧水頭症が考えやすい。
a Parkinson病では歩行障害をみるも、認知症は末期までみられない。
b 反応性うつ病は認知症と鑑別が難しい例もあるが、尿失禁はみない。
c 正しい。上記の通り。
d 血管性認知症では運動麻痺をみることがある。また、階段状に増悪する。
e Alzheimer型認知症では認知症をみるも、小刻み歩行はみない。

正答率:79%

テーマ:歩行障害をきたす疾患

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