105E42

59歳の男性。白血球増多の精査のために来院した。特に症状はなかったが、健康診断で白血球増多を指摘された。発熱や体重の変化はない。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。意識は清明。身長168cm、体重74kg。体温36.6℃。脈拍72/分、整。血圧134/78mmHg。表在リンパ節を触知しない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を1cm触知する。脾を触知しない。血液所見:赤血球468万、Hb 13.8g/dL、Ht 43%、白血球20,600、血小板28万。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(A、B)に示す細胞が白血球の50%を占めた。
次に行う検査はどれか。
CMV抗体
EBNA抗体
HIV抗体
HTLV-1抗体
VCA-IgG抗体

解答: d

105E42の解説

中年男性の白血球増多精査。たしかに白血球20,600と高値だ。他に気になるのは肝腫大くらいであろう。画像をみないと何ともいえない。A, Bともに異型リンパ球(flower cellと呼ばれる形)がみられており、成人T細胞白血病〈ATL〉を考える。
a サイトメガロウイルス感染でもIM様の病態が出現することがある。
b・e これらはEBウイルス(IMの原因)感染に対する検査である。
c HIV感染ではない。
d 正しい。HTLV-1抗体は成人T細胞白血病〈ATL〉にて陽性となる。
※「全然花びらに見えない!」という悲鳴(?)をよく耳にする。難解な医療画像は待っていれば自然と見えてくるものではない。こういう画像こそがflower cellだ、とパターン認識した上で積極的に見に行かねばならないのだ。その良い教訓となる問題。

正答率:92%

テーマ:成人T細胞白血病〈ATL〉の検査

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