105D54

38歳の女性。気分の高揚、多弁および不眠を主訴に来院した。3年前に母親を亡くした後、憂うつで何も手につかなくなり、3か月仕事を休んだ。その後、逆に気分が高揚して活動性が亢進する時期と、気分が落ち込んで活動性が低下して寝込んでしまう時期とを交互に繰り返すようになった。
治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ
ジアゼパム
炭酸リチウム
パロキセチン
クロミプラミン
バルプロ酸ナトリウム

解答: b,e

105D54の解説

「3年前に母親を亡くした後、憂うつで何も手につかなくなり、3か月仕事を休んだ」というエピソードは鬱、「気分の高揚、多弁および不眠」は躁を考える。双極性障害であろう。現在みられているエピソードは躁であり、これに有効な治療薬を選択することとなる。
a ジアゼパムは抗けいれん薬である。抗不安薬としてもちいられることもあるが、双極性障害には使わない。
b 正しい。炭酸リチウムは躁病に有効。
c パロキセチンは選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉の1つであり、うつ病に有効。躁エピソード時には用いない。
d クロミプラミンは三環系抗うつ薬の1つであり、うつ病に有効。c同様の議論で誤り。
e 正しい。バルプロ酸ナトリウムも躁病に有効。
※やや難易度が高かったためか、採点除外問題となった。

正答率:78%

テーマ:躁うつ病の治療薬

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