105D52

2歳の女児。意識障害のため搬入された。なかなか泣きやまないことに激昂した父親によって、肩を持たれ何度も強く揺さぶられた。しばらくするとぐったりして意識がなくなったという。意識レベルはJCSIII-100で、全身に多数の熱傷瘢痕が散在し、新旧の皮下出血斑が多数認められる。
この患児に認められる可能性が高いのはどれか。2つ選べ
脳出血
頸髄損傷
硝子体出血
硬膜下血腫
顔面神経麻痺

解答: c,d

105D52の解説

意識障害のため搬入された2歳の女児である。父親によって、肩を持たれ何度も強く揺さぶられた。意識レベルはJCSIII-100で、全身に多数の熱傷瘢痕が散在し、新旧の皮下出血斑が多数認められることから虐待が疑われ、乳幼児鞭打ち様症候群(揺さぶられっ子症候群)の診断となる。「この患児」の可能性を考えた場合、選択肢はすべて起こり得る症候であるが、揺さぶられっ子症候群に焦点を当てた場合、正解は絞られる。
a 小児では架橋静脈が破綻しやすいため、軽微な外傷でも硬膜下血腫を呈するため、脳出血も起こさないとは言い切れないが、揺さぶられっ子症候群の定義より正解を譲る。
b 高エネルギー外傷によって頸髄損傷を起こす可能性は否定できないが、揺さぶられっ子症候群の定義より正解を譲る。
c 正しい。揺さぶられっ子症候群では硝子体出血などの眼底出血をおこす。
d 正しい。揺さぶられっ子症候群では急性硬膜下血腫をみる。
e 頭部や顔面部の外傷はなく、顔面神経麻痺は考えにくい。

正答率:38%

テーマ:乳幼児揺さぶられ症候群〈Shaken Baby Syndrome〉の症候

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