105D27

40歳の女性。動悸と息切れとを主訴に来院した。10日前から月経出血が止まらず、出血量もこれまでより多かった。さらに数日前から階段を昇るときに息切れと動悸とを感じるようになった。脈拍96/分、整。血圧120/78mmHg。皮膚は蒼白で前胸部と下腿とに点状出血を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球250万、Hb 7.5g/dL、Ht 24%、網赤血球3%、白血球8,800(骨髄球1%、桿状核好中球9%、分葉核好中球55%、好酸球1%、単球9%、リンパ球25%)、血小板3,000。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(A、B)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
血栓性血小板減少性紫斑病〈TTP〉
免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉
急性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病
再生不良性貧血

解答: b

105D27の解説

40歳女性の動悸と息切れ。血小板が3,000と著減している。これにより出血傾向となり貧血を呈したため、動悸と息切れが出ているのであろう。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本では巨核球の増加がみられており、特発性〈免疫性〉血小板減少性紫斑病〈ITP〉が考えやすい。
a 血栓性血小板減少性紫斑病〈TTP〉では精神神経症状をみることが多い。
b 正しい。上記の通り。
c 急性骨髄性白血病では画像にて白血病裂孔がみられる。
d 慢性骨髄性白血病では血小板数が増加する。
e 再生不良性貧血では汎血球減少をみる。

正答率:69%

テーマ:免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉の診断

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