105B50

次の文を読み、50~52の問いに答えよ。
76歳の男性。転居に伴いB型慢性肝疾患の治療継続目的で紹介され来院した。
現病歴:10年前に自宅近くの医療機関でB型慢性肝炎と診断され、ウルソデオキシコール酸を服用していた。自覚症状は特にない。
生活歴:飲酒は機会飲酒。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長176cm、体重64kg。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧132/68mmHg。腹部は平坦で、心窩部に肝を1cm触知するが、圧痛を認めない。左肋骨弓下に脾を1cm触知する。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球311万、Hb 10.9g/dL、Ht 32%、白血球3,600。血液生化学所見:総蛋白6.0g/dL、アルブミン2.6g/dL、クレアチニン0.8mg/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 84U/L、ALT 68U/L、ALP 220U/L(基準115~359)。免疫学所見:HBs抗原陽性、HCV抗体陰性、AFP 140ng/mL(基準20以下)。食道内視鏡写真を別に示す。
血液検査所見で予想されるのはどれか。
CRP高値
尿素窒素高値
血小板数減少
γ-グロブリン低値
総コレステロール高値

解答: c

105B50の解説

B型慢性肝炎に対して治療中の76歳男性。左肋骨弓下に脾を1cm触知する。内視鏡写真ではred color signを伴う食道静脈瘤を認めており、肝硬変に合併した門脈圧亢進症を考える。よって肝硬変に伴う血液検査所見の変化を選択すればよい。
a 感染症や免疫領域における炎症性変化に伴いCRPは上昇する。
b 消化管出血や脱水時、腎機能障害時に高値となる。
c 正しい。肝硬変に伴い汎血球減少を呈する。
d γ-グログリンは上昇する。
e 肝硬変に伴う合成能低下により総コレステロールは低値となる。

正答率:81%

テーマ:【長文1/3】肝硬変〈LC〉の血液検査所見

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