105A56

29歳の女性。不妊と月経不順とを主訴に来院した。身長152cm、体重65kg。内診で子宮は正常大である。経膣超音波検査で両側卵巣は軽度に腫大している。基礎体温は一相性で、黄体ホルモン剤投与で消退出血を認める。血中ホルモン所見:LH 12.4mIU/mL(基準1.8~7.6)、FSH 7.2mIU/mL(基準5.2~14.4)、テストステロン100ng/dL(基準30~90)、エストラジオール60pg/mL(基準25~75)。
まず行うべき対応で適切なのはどれか。2つ選べ
減量指導
クロミフェン投与
GnRHアゴニスト投与
卵胞刺激ホルモン投与
ドパミンアゴニスト投与

解答: a,b

105A56の解説

不妊と月経不順とがある若年女性である。身長152cm、体重65kgよりBMI=28.1であり肥満を認める。基礎体温は一相性であり、黄体ホルモン剤投与で消退出血を認めることから第1度無月経である。経膣超音波検査で両側卵巣は軽度に腫大しており、LH 高値、テストステロン高値、FSH 正常、エストラジオール正常であることから多嚢胞性卵巣症候群〈PCOS〉の診断となる。
a 正しい。肥満の改善のために減量指導は必要である。
b 正しい。第1度無月経であり、クロミフェン投与にて治療を行う。
c GnRHアゴニストは子宮内膜症などに用いるが、子宮は正常であり本例とは臨床像が異なる。
d 卵胞刺激ホルモン(ゴナドトロピン)投与はクロミフェンが無効な場合に用いられる。
e ドパミンアゴニスト投与は高プロラクチン血症に用いられるが、乳腺異常はなく否定的。

正答率:75%

テーマ:多嚢胞性卵巣症候群〈PCOS〉への対応

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