105A25

56歳の男性。皮膚の角化性紅斑を主訴に来院した。2年前から手指の関節と手関節とに痛みと腫脹とがあり治療を受けていた。最近、手指の爪に変形が生じ、頭部、四肢関節部および臍部に境界明瞭な角化性紅斑が生じてきた。リウマトイド因子〈RF〉陰性。手指と腹部の写真(A)と紅斑部の生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
成人Still病
乾癬性関節炎
梅毒性関節炎
悪性関節リウマチ
全身性エリテマトーデス〈SLE〉

解答: b

105A25の解説

中年男性の角化性紅斑。画像Aに示される、やや鱗屑を伴った紅斑からは尋常性乾癬が考えやすい。関節痛、爪の変化、Bの画像から見て取れる真皮乳頭の増生も矛盾しない所見である。
a 成人Still病であればサーモンピンク疹が出現する。肝脾腫やリンパ節腫脹、弛張熱などもう少しキーワードもほしいところだ。
b 正しい。尋常性乾癬を背景とした関節炎である。
c 梅毒の感染を考えさせる病歴はない。
d 悪性関節リウマチを考えさせる全身症状に乏しい。
e 全身性エリテマトーデスであれば顔面の蝶形紅斑が有名。光線過敏や血液所見、抗体などもう少しキーワードがほしいところだ。
101A8のプール問題。

正答率:94%

テーマ:乾癬性関節炎の診断

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