105A23

35歳の男性。反応が鈍く奇妙な姿勢をとることを心配した会社の上司に伴われて来院した。半年前から上司に「誰もいないのに職場の同僚からの悪口が聞こえてくる」と訴えていた。昨日から「会社に殺される」、「考えていることが会社に筒抜けになる」などと独り言をつぶやいていたかと思うと、黙り込んで開眼したまま無反応になったという。診察時に右手を挙上させるとそのままの姿勢をいつまでも保持する。
最も考えられる診断はどれか。
うつ病
適応障害
緊張病症候群
広汎性発達障害
Korsakoff症候群

解答: c

105A23の解説

若年男性で幻覚と妄想がみられており、統合失調症が疑われる。「右手を挙上させるとそのままの姿勢をいつまでも保持する」(カタレプシー)とあり、緊張病症候群である。
a 抑うつや、意欲・喜びの消失などの症状はないため否定的。
b 適応障害の診断にはその契機となる明確なストレスの存在が必要。
c 正しい。上記の通り。
d 「広汎性発達障害」はDSM-IVまでの形容。現在は自閉症スペクトラム障害に編入されている。「いつまでも保持する」→常同、と考えた者への引っ掛けなのだろうが、さすがに選べない。
e Korsakoff症候群は大量飲酒者のWernicke症候群に続発する病態で、失見当識+記銘力障害+健忘+作話を4徴とする。

正答率:88%

テーマ:緊張病症候群の診断

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