105E44

65歳の男性。1時間前からの胸内苦悶を主訴に来院した。10年前から脂質異常症を指摘され内服治療中である。意識は清明。呼吸数20/分。脈拍60/分、整。血圧108/72mmHg。12誘導心電図でII、III、aVF誘導でST上昇を認めた。直ちに緊急冠動脈造影を行ったところ、右冠動脈に99%の狭窄を認めたため、経皮的冠動脈インターべンション〈PCI〉を施行した。再灌流直後に脈拍が120/分に上昇しショック状態となり、意識レベルが低下した。
この患者に発生した可能性が高いのはどれか。
脳梗塞
乳頭筋断裂
心室中隔穿孔
肺血栓塞栓症
心タンポナーデ

解答: e

105E44の解説

急性心筋梗塞に対して緊急経皮的冠動脈インターベンション〈PCI〉を施行した65歳男性。再灌流後から脈拍120/分に上昇しショック状態となり、意識レベルが低下した。心筋梗塞の急性期やPCIの合併症が発生したと考えられる。
a 脳梗塞は急激にショック状態に陥ることはなく考えにくい。
b・c どちらも急性期の合併症ではあるが、汎収縮期雑音を聴取するはずである。
d 長期臥床などの深部静脈血栓症のリスクがあった場合に起こり得るが、本症例は1時間と経過が短く考えにくい。
e 正しい。oozing-typeの心破裂では心タンポナーデがみられる。また、PCIの合併症である冠動脈損傷による心タンポナーデの可能性もある。

正答率:64%

テーマ:経皮的冠動脈インターベンション〈PCI〉の合併症

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