105A50

78歳の女性。繰り返す失神を主訴に来院した。自宅近くの診療所で発作性心房細動の治療中であり、最近、抗不整脈薬を増量した。意識は清明。脈拍56/分。血圧138/78mmHg。心音に異常を認めない。症状出現時のHolter心電図を別に示す。
現時点で行う処置として適切なのはどれか。2つ選べ
ジギタリス投与
抗不整脈薬の中止
一時的ペーシング
植え込み型除細動器移植術
永久型ペースメーカー移植術

解答: b,c

105A50の解説

繰り返す失神を主訴とする78歳女性。発作性心房細動に対して抗不整脈薬を内服している。Holter心電図ではRR間隔が不整であり、心房細動調律である。その後洞停止を来し、洞調律に復していることから徐脈頻脈症候群と診断する。
a 房室伝導を抑制させる働きがあり、徐脈を更に増悪させるため禁忌である。
b 正しい。抗不整脈薬の増量によって洞停止を生じていることから中止する。
c 正しい。洞停止によって失神を来していることから、被疑薬の血中濃度が低下するまでの間は一時的ペーシングを用いる。
d 頻脈性の致死性不整脈の際に用いる治療法である。
e 抗不整脈薬の増量が原因であるため、可逆性と考えられることから永久型ペースメーカー移植術の適応とならない。しかし、bにて原因薬剤を取り除いた後にも同様の症状が起こるようであれば今後検討する可能性がある。

正答率:68%

テーマ:医原性徐脈頻脈症候群(洞不全症候群〈SSS〉)の対応

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