104I67

50歳の女性。主婦。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前から乾性咳嗽と軽い息切れ、1週前から微熱が出現し、2日前から呼吸困難を強く感じるようになった。喫煙歴はない。住居は築16年で往来の激しい道路沿いにある。家では猫を飼い、洋裁の内職をしている。意識は清明。身長153cm、体重47kg。体温37.6℃。呼吸数24/分。脈拍84/分、整。血圧98/56 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。赤沈28mm/1時間。血液所見:赤血球497万、Hb 13.7 g/dL、Ht 42%、白血球5,500(桿状核好中球11%、分葉核好中球51%、好酸球4%、好塩基球0%、単球7%、リンパ球27%)、血小板23万。血液生化学所見:総蛋白6.8 g/dL、アルブミン3.5 g/dL、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、総ビリルビン0.7 mg/dL、AST 19 U/L、ALT 4 U/L、LD 252 U/L(基準176~353)、ALP 137 U/L(基準115~359)、Na 137 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 103 mEq/L。免疫学所見:CRP 6.9 mg/dL、IgG 1,225 mg/dL(基準960~1,960)、IgA 365 mg/dL(基準110~410)、IgM 117 mg/dL(基準65~350)、IgE 96 IU/mL(基準120以下)。ツベルクリン反応陰性。胸部エックス線写真を別に示す。
原因として考えられるのはどれか。
ネコ皮屑
チリダニ
トリコスポロン
自動車排気ガス
ニューモシスチス

解答: c

104I67の解説

呼吸困難を主訴とする50歳女性、主婦。1か月前から完成咳嗽と軽い息切れ、1週前から微熱が出現し、2日前から呼吸困難を自覚。住居は築16年で往来の激しい道路沿いにあり、家では猫を飼っていることから、夏型過敏性肺炎やカリニ肺炎、気管支喘息が考えられるが、血液所見で好酸球は正常であることから気管支喘息は考えにくい。また免疫力の低下を示唆する記載がないため、カリニ肺炎も来す病歴ではない。ツベルクリン反応は陰性である。以上から、トリコスポロンによる夏型過敏性肺炎を考える。
a・b・d ネコ皮屑、チリダニ、自動車排気ガスは気管支喘息の原因となる。
c 正しい。トリコスポロンは夏型過敏性肺炎の原因となる。
e ニューモシスチスは肺炎の原因となる。日和見感染症であるが、本症例では免疫力の低下を示唆する所見は無く、可能性は低い。

正答率:72%

テーマ:過敏性肺炎の原因

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