104I61

35歳の女性。傾眠状態で搬入された。24歳時から1型糖尿病でインスリン自己注射を行っている。5日前から感冒症状、食思不振および下痢のためインスリン注射を中止していた。意識レベルはJCSII-20。身長158cm、体重51kg。体温36.9℃。脈拍88/分、整。血圧98/62 mmHg。咽頭に発赤を認めるが、胸・腹部と神経学的所見とに異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖4+、ケトン体3+。血液所見:赤血球467万、Hb 14.5 g/dL、Ht 44%、白血球10,400。血液生化学所見:血糖562 mg/dL、HbA1c 9.8%。
まず静注するのはどれか。
抗菌薬
ドパミン
生理食塩液
5%ブドウ糖液
重炭酸ナトリウム

解答: c

104I61の解説

1型糖尿病患者の意識障害。尿糖4+、尿ケトン体3+、血糖562mg/dLより糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の診断は容易。
a 前駆する感染があるも、本患者の主病態は細菌感染ではない。
b 血圧はやや低値であるも、若年女性であれば正常範囲。ドパミンは不要。
c 正しい。生理食塩液を大量に投与することが第一手となる。
d 5%ブドウ糖液は細胞内液の補充に用いる。本患者のように循環血液量が低下したケースでは無効。
e 重炭酸ナトリウムはアシドーシスの補正に用いる。本患者では確かにアシドーシスが存在するであろうが、cの優先度には劣る。

正答率:90%

テーマ:糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の治療

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