104I47

45歳の女性。発熱を主訴に来院した。2週前から倦怠感、食欲不振および発熱があった。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長155cm、体重70kg。体温37.5℃。脈拍88/分、整。血圧120/60 mmHg。眼瞼結膜に点状出血を認める。第3肋間胸骨左縁で2/6度の拡張期逆流性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。左小指末節の指腹部に圧痛を伴う赤色の結節を2か所認める。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血1+、沈渣に赤血球10~20/1視野。血液所見:赤血球405万、Hb 11.0 g/dL、Ht 33%、白血球9,200、血小板35万。血液生化学所見:総蛋白8.0 g/dL、アルブミン4.0 g/dL、尿素窒素18 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、総ビリルビン1.0 mg/dL、AST 20 U/L、ALT 15 U/L。CRP 2.6 mg/dL。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。経胸壁心エコー検査で弁の疣贅を認めない。
診断に有用なのはどれか。
ASO
ANCA
出血時間
抗核抗体
血液培養

解答: e

104I47の解説

2週間前から発熱が続いている45歳女性。白血球とCRPの上昇も認めている。第3肋間胸骨左縁で拡張期逆流性雑音を聴取するため感染性心内膜炎〈IE〉が鑑別に挙がる。左小指末節の指腹部に認める圧痛を伴う赤色の結節はOsler結節と考えられ、IEを支持する所見である。経胸壁心エコー検査で疣贅は認めないが、経胸壁アプローチでは描出困難な場合もあるため、IEを除外できない。
a ASOはA群β溶連菌で上昇する。本症例は亜急性の経過をたどっているため、緑色連鎖球菌などを疑う。
b ANCAは顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症(Wegener肉芽腫症)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈EGPA〉などで陽性となる。
c 血小板減少は無く、血小板機能に影響を及ぼさないため、出血時間は延長しない。
d 膠原病で抗核抗体は陽性となる。
e 正しい。IEを疑う際は血液培養を3セット採取する。緑連菌が検出するか確認する。

正答率:90%

テーマ:感染性心内膜炎〈IE〉の検査

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