104H37

次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
68歳の女性。交通事故のため搬入された。
現病歴:夫の運転する乗用車の助手席に座っていた。黄信号で交差点に進入したところ、右折してきた対向車と衝突した。シートベルトは着用していなかった。右胸部痛を訴えている。搬送中に静脈路が確保された。
既往歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。脈拍112/分、整。血圧90/60 mmHg。眼球結膜に異常を認めない。頸静脈怒張と冷汗とを認める。心音は微弱。右肺野で呼吸音を聴取しない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球380万、Hb 10.0 g/dL、Ht 35%、白血球8,500、血小板30万。血液生化学所見:血糖82 mg/dL、総蛋白6.2 g/dL、アルブミン3.4 g/dL、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン1.1 mg/dL、AST 35 U/L、ALT 18 U/L、LD 176 U/L(基準176~353)、ALP 233 U/L(基準115~359)、Na 138 mEq/L、K 4.3 mEq/L、Cl 99 mEq/L。胸部エックス線写真を別に示す。
診断はどれか。
血気胸
緊張性気胸
横隔膜ヘルニア
心タンポナーデ
胸壁動揺〈flail chest〉

解答: b

104H37の解説

交通事故のため搬入された68歳女性。右胸部痛を訴えている。胸部エックス線写真では右肺が虚脱しており、緊張性気胸の診断である。
a 血気胸では血液の貯留をみる。
b 正しい。上述の通り。
c 横隔膜ヘルニアは、どちらかの横隔膜が挙上しているレントゲンが得られる。
d 心タンポナーデであれば心嚢水貯留により心拡大を認める。
e 胸郭動揺は多発肋骨骨折により呼吸により胸郭が奇異性に運動することである。

正答率:98%

テーマ:【長文1/2】緊張性気胸の診断

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