104G64

次の文を読み、64~66の問いに答えよ。
51歳の男性。口渇、多飲および全身倦怠感を主訴に来院した。
現病歴:1か月前から口渇が出現し、清涼飲料水を多飲している。2週前から全身倦怠感を自覚している。
既往歴:1年前にC型肝炎で、インターフェロンα-2bとリバビリンとの治療が開始され、1か月前に終了した。
生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長162cm、体重57kg。体温36.9℃。脈拍92/分、整。血圧142/86 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
検査所見:尿所見:蛋白(±)、糖2+、ケトン体2+。血液所見:赤血球451万、Hb 12.6 g/dL、Ht 40%、白血球4,300(好中球39%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球52%)、血小板13万。血液・尿生化学所見:血糖626 mg/dL、HbA1c 12.5%、総蛋白7.3 g/dL、アルブミン3.9 g/dL、尿素窒素10.2 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、尿酸6.9 mg/dL、総コレステロール241 mg/dL、トリグリセリド239 mg/dL、総ビリルビン0.3 mg/dL、AST 37 U/L、ALT 38 U/L、LD 181 U/L(基準176~353)、ALP 215 U/L(基準115~359)、Na 140 mEq/L、K 5.1 mEq/L、Cl 102 mEq/L、FT3 2.9 pg/mL(基準2.5~4.5)、FT4 1.1 ng/dL(基準0.8~2.2)、尿中アルブミン208 mg/g・Cr(基準22以下)。CRP 1.2 mg/dL。24時間クレアチニンクリアランス78 mL/分(基準90以上)。
この病態でみられる症候はどれか。
難聴
体重減少
眼球突出
女性化乳房
黒色表皮腫

解答: b

104G64の解説

インターフェロン療法中の患者であり、何かしらの、免疫機序を介した病態を考える。尿ケトン体2+、血糖626mg/dl、HbA1c12.5%より糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の診断。身長162cm、体重57kgと肥満はなく、上述のように免疫が関与している病態であることから、1型糖尿病由来のDKAと考える。
a ミトコンドリア脳筋症を背景とした糖尿病では難聴をみる。
b 正しい。1型糖尿病では体重減少をみる。
c Basedow病を背景とした糖尿病では眼球突出をみる。
d 肝硬変を背景とした糖尿病では女性化乳房をみる。
e 2型糖尿病では黒色表皮腫をみることがある。

正答率:66%

テーマ:【長文1/3】糖尿病の症候

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