104F19

75歳の男性。健康診断で胸部異常陰影を指摘され精査目的で来院した。心配した娘が付き添ってきた。持参した胸部エックス線写真では、肺癌が強く疑われた。喫煙歴を本人に尋ねたところ、「20歳ころから1日10本くらい吸っています。やっぱりやめた方がいいですよね。禁煙パッチを出して下さい」と答えた。それを聞いていた娘が、「そんなに少なくありません。1日に2箱は吸っていますよ」と付け加えた。
この患者にかける言葉として適切なのはどれか。
「嘘をついてはいけません」
「今さら禁煙しても意味ないですよ」
「娘さんには外に出て行ってもらいましょう」
「異常があると言われたら心配になりますよね」
「ごまかすのはタバコが原因だと考えるからですか」

解答: d

104F19の解説

a 見栄を張って過少申告してしまったようだ。たとえそれが事実であったとしても、娘の前で父親を叱責するのは人間関係として好ましくない。
b 何歳になっても禁煙は有効である。
c 特別にプライバシーに配慮した情報をやり取りする際には考えうるオプションであるが、今回はそうした状況に合致しない。また「出て行ってもらいましょう」という表現は強すぎる。「一旦、外でお待ち願いましょう」などと言うべきだ。
d 正しい。共感的態度であり、選択肢の中では最適である。
e a同様、叱責する発言であり、好ましくない。

正答率:90%

テーマ:肺癌を心配する患者への対応

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