104E55

62歳の女性。回転性めまいを主訴に来院した。3日前に美容院で洗髪のため仰臥位で懸垂頭位になった時に突然、回転性めまいが出現した。回転性めまいは十数秒で消失した。難聴や耳鳴りはなく、嘔気もなかった。その後、就寝時の寝返りで同様の回転性めまいが生じた。意識は清明。体温36.0℃。脈拍80/分、整。血圧136/82 mmHg。純音聴力検査で異常を認めない。頭部単純MRIで異常を認めない。頭位眼振、頭位変換眼振所見を別に示す。
治療として最も適切なのはどれか。
理学療法
利尿薬投与
迷路破壊術
内リンパ嚢開放術
副腎皮質ステロイド投与

解答: a

104E55の解説

特定の頭位で突然生じる回転性めまいで、すぐに消失し、蝸牛症状はない。検査所見では、左下懸垂頭位と、懸垂頭位・座位の変換で回転性めまいが生じており、良性発作性頭位眩暈症の所見である。耳石が半規管内に落ちていることが原因と言われている。
a 正しい。平衡訓練と呼ばれる。中枢前庭系の代償機構を促進するようなリハビリを行う。
b 内リンパ水腫が原因のメニエール病に対する薬物療法である。
c めまいの元となっている半規管や蝸牛をすべて除去する。聴力が失われるためあまり行われない。
d 内リンパを開放して排水路を作り水腫を改善する方法。薬物療法が無効である場合に考慮する。
e 行われない。

正答率:94%

テーマ:良性発作性頭位眩暈症〈BPPV〉の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし