104E49

2歳5か月の男児。歩き方がおかしいことを主訴に来院した。妊娠と分娩経過とに異常はなかった。出生体重3,620g、身長54cm。離乳食を6か月ころから開始したが、嫌がって食べようとしなかったため離乳を断念し、2歳過ぎまで母乳とお茶のみを与えていた。最近も米、パン及び麺類は食べるが、おかずは食べようとしない。身長85cm(-1.2SD)、体重13kg(+0.1SD)。O脚を認める。血液所見:Hb 13.4g/dL、白血球7,800、血小板23万。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL、AST 23U/L、LD 223U/L(基準334~742)、ALP 3,650U/L(基準322~990)、Ca 5.1mg/dL、P 2.4mg/dL。手根部エックス線写真(①~⑤)を別に示す。
この患児にあてはまるのはどれか。

解答: e

104E49の解説

「2歳過ぎまで母乳とお茶のみ」「おかずは食べようとしない」といった記載より、カルシウムやリン、ビタミンDが不足している可能性を考える。実際にCaやPは低値であり、またこれらを取り出すべく続発性副甲状腺機能亢進症が起こったのであろう、骨融解によりALPが高度上昇している。くる病の診断。くる病では骨量は変化しないため、手根骨の数は正常であることがポイントだ。
a ①は2歳5か月児としては正常な手根骨である。
b ②は手根骨が多く、もう少し年齢が高い児にてみられる。
c・d ③・④では手根骨がみられておらず、もう少し年齢が低い児にてみられる。
e 正しい。⑤では手根骨の数は2歳5か月児としては正常だが、骨端の不整化がみられ、くる病の手根部エックス線に矛盾しない。

正答率:59%

テーマ:くる病の手根部エックス線所見

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