104D55

42歳の女性。左眼の流涙を主訴に来院した。数年前から左眼に涙がたまりやすいことを自覚しており、1年ほど前から流涙をきたすようになった。涙道造影で涙嚢は正常に描出されており、そこから尾側の鼻涙管が造影されない。
治療として適切なのはどれか。
涙嚢摘出術
下甲介切除術
涙小管形成手術
涙嚢鼻腔吻合術
鼻内前頭洞手術

解答: d

104D55の解説

鼻涙管閉塞によって涙液の行き場がなくなり流涙している。放置すると涙嚢炎になる可能性がある。通り道を作ることが治療となる。涙道を確認しておくと、(上下)涙点→(上下)涙小管→総涙小管→涙嚢→鼻涙管→下鼻道、である。
a 慢性涙嚢炎に対して行われていた術式であるが最近は主流ではない。本問で閉塞しているのは鼻涙管であるので涙嚢を摘出しても流涙は改善されない。
b アレルギー性鼻炎や睡眠時無呼吸症候群による鼻閉に対して行われる。
c 涙道の流れを考えると、閉塞が起こっているのは涙小管より下流なので意味がない。
d 正しい。鼻涙管閉塞、つまり涙嚢と鼻腔の間が閉塞しているのでこれが最適である。
e 鼻腔から内視鏡でアプローチし、前頭洞まで至る。副鼻腔炎の術式である。

正答率:82%

テーマ:鼻涙管閉鎖症の治療

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