104D23

65歳の男性。吐血のため搬入された。起床時から悪心があり、朝食前に洗面器いっぱいの吐血があった。肝硬変で通院中である。意識は清明。身長167cm、体重42kg。体温36.8℃。脈拍108/分、整。血圧96/60 mmHg。腹部は膨隆。血液所見:赤血球340万、Hb 8.5 g/dL、Ht 26%、白血球3,800、血小板7.2万。血液生化学所見:総蛋白5.5 g/dL、アルブミン2.9 g/dL、尿素窒素45 mg/dL、クレアチニン1.4 mg/dL、総ビリルビン1.3 mg/dL、直接ビリルビン0.8 mg/dL、AST 55 U/L、ALT 30 U/L。
血管確保後にまず行うのはどれか。
腹腔穿刺
抗菌薬点滴静注
カルシウム拮抗薬静注
上部消化管内視鏡検査
トロンビン末溶解液静注

解答: d

104D23の解説

肝硬変を罹患しており、門脈圧亢進症から食道・胃静脈瘤破裂に陥ったと考えらえる。大量の吐血を認め、血圧96/60mmHg、脈拍108/分とショックバイタルのため、緊急内視鏡を行い出血源を検索し止血する必要がある。
a 本症例では腹水の検査は関係ない。
b 感染症ではない。
c カルシウム拮抗薬は静脈瘤破裂の治療法になりえない。
d 正しい。出血源の評価を迅速に行い、必要に応じて止血を施す必要がある。
e トロンビン末溶解液は点滴ではなく、直接出血源に塗布する。

正答率:95%

テーマ:上部消化管出血の検査

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし