104B59

次の文を読み、59~61の問いに答えよ。
78歳の男性。意識障害のため搬入された。
現病歴:普段どおり起床し、特に変わった様子はなかった。8時ころ外出した妻が昼過ぎに帰宅し、床に倒れている患者を発見した。意識がもうろうとしており、救急車を要請し救命救急センターに搬入された。
既往歴:75歳で慢性心不全、心房細動、高血圧。
生活歴:2世帯住宅で1階に妻と二人暮らし。
現 症:意識レベルはJCS II-10。体温37.1℃。脈拍72/分、不整。血圧182/94 mmHg。心尖部に3/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経学的所見で顔面を含む重度の左片麻痺を認める。
検査所見:心電図で心房細動を認める。頭部MRIの拡散強調像で右中大脳動脈〈MCA〉領域の高信号域を認める。
経 過:妻の話から、発症から受診までの時間経過は不明と判断した。t-PAは使用せず、保存的治療を行った。入院後4日に意識状態は徐々に改善し、意識レベルはJCS I-3。全身状態も落ち着いていたため一般病棟に移動となった。脳梗塞再発予防の目的でワルファリン投与が開始された。1週後に2度目の家族面談が予定されている。
面談までに主治医が行う必要がないのはどれか。
ソーシャルワーカーへ連絡する。
介護保険主治医意見書を作成する。
嚥下機能の評価を担当科に依頼する。
心血管系の評価を循環器科に依頼する。
リハビリテーションの経過を把握する。

解答: b

104B59の解説

意識障害のため搬入された78歳の男性である。心房細動の既往があり、脈拍不整、心電図で心房細動を認めることから急性期であり、再発が示唆される。頭部MRIの拡散強調像で右中大脳動脈〈MCA〉領域の高信号域を認め、心原性脳梗塞の診断となる。その後、意識状態は徐々に改善し、全身状態も落ち着き回復期へ移行してきたため、一般病棟に移動となった。
a 回復期であり、長期リハビリテーションを行うための転棟調整が必要となり、ソーシャルワーカーによる介入を行う。
b 誤り。介護保険主治医意見書は、本人が申請を申し出た場合に作成する。
c 神経学的所見で顔面を含む重度の左片麻痺を認めており、嚥下機能の評価を依頼する必要がある。
d 心房細動に対する定期的評価のため、循環器科に依頼する。
e 長期のリハビリテーションに対し、麻痺の程度など経過を把握するべきである。

正答率:87%

テーマ:【長文1/3】面談までに主治医が脳梗塞患者に対し行うべきこと

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