104B53

次の文を読み、53~55の問いに答えよ。
72歳の男性。進行する呼吸困難を主訴に来院した。
現病歴:5年前から階段昇降時の息切れを自覚するようになった。このころから少量白色調の喀痰を認めた。冬季に感冒に罹ると喀痰が増量し、息切れが悪化する。年々息切れが進行し、家族と並んで平地を歩行していても、息切れのために会話が途切れるようになった。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙は40本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。体温36.4℃。呼吸数20/分。脈拍76/分、整。血圧126/64 mmHg。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球420万、Hb 14.7 g/dL、白血球6,700、血小板25万。血液生化学所見に異常を認めない。呼吸機能検査:%VC 84%、%FVC 65%、%FEV1.0 40%、FEV1.0% 45%、%RV 140%、RV/TLC 50%、%DLco 40%、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.36、PaO2 55 Torr、PaCO2 48 Torr、HCO3- 24 mEq/L。
この患者にみられる所見はどれか。3つ選べ
肥満
呼気延長
胸郭拡大
口すぼめ呼吸
心濁音界拡大

解答: b,c,d

104B53の解説

進行する呼吸困難とする72歳男性。呼吸機能検査では%VCは84%、FEV1.0%は45%と低下しており、閉塞性障害を認める。長期間の喫煙歴と併せて、慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉と診断する。
a COPDはやせ型体系となる。
b 正しい。閉塞性障害のため呼気は延長する。
c 正しい。閉塞性障害のため肺内にairがトラップされ、胸郭拡大(ビア樽状胸郭と呼ばれることで有名)をみる。
d 正しい。口すぼめ呼吸により呼気時に圧力をかけ、気道閉塞を緩和する。
e 両側肺が拡大し、心臓を圧迫する。これにより心濁音界は狭くなる。

正答率:94%

テーマ:【長文1/3】慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の所見

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