104A55

58歳の男性。嗄声と慢性的な咳とを主訴に来院した。6か月前から誘因なく、のどの異物感を自覚している。呼吸困難と嚥下障害とはない。喫煙は40本/日を38年間。飲酒は機会飲酒。喉頭内視鏡の写真(①~⑤)を別に示す。
この患者の喉頭内視鏡写真として考えられるのはどれか。2つ選べ

解答: c,e

104A55の解説

中高年男性の呼吸困難・嚥下障害を伴わない嗄声と慢性咳嗽から何を考えるか?
a 腫脹した喉頭蓋が観察されており、急性喉頭蓋炎の写真である。呼吸困難感やのどの痛みを訴えることが多い。急性の気道閉塞の危険性が高く、救急疾患である。
b 声帯前1/3部に向かい合うように小さな結節を認め、声帯結節である。ただし、画像向かって左側は隆起とまでは呼びにくく、声帯ポリープの可能性もある。嗄声をきたす病態ではあるが、慢性咳嗽はみない。
c 正しい。声門に表面不整な隆起性病変を認める。声門癌、つまり喉頭癌の一種である。嗄声が症状である。
d 正常像。ただし、全体的に充血をみとめ、胃食道逆流症〈GERD〉等の背景がある可能性はある。
e 正しい。両側の声帯膜様部が浮腫を起こしており、ポリープ様声帯である。喫煙者に多く、低音の声となる。

正答率:60%

テーマ:喉頭癌およびポリープ様声帯の内視鏡像

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