104A47

35歳の男性。2週前から続く血尿と血痰とを主訴に来院した。意識は清明。身長171 cm、体重63 kg。体温37.2 ℃。脈拍80/分、整。血圧172/104 mmHg。眼瞼と両側下腿とに浮腫を認める。両側上中肺野にcoarse cracklesを聴取する。尿所見:肉眼的血尿、蛋白2+、糖(-)。血液所見:赤血球350万、Hb 10.2 g/dL、Ht 30 %、白血球8,200、血小板16万。血液生化学所見:総蛋白6.4 g/dL、アルブミン4.5 g/dL、尿素窒素52 mg/dL、クレアチニン4.7 mg/dL、尿酸7.5 mg/dL。胸部エックス線写真で両側上中肺野に斑状陰影を認める。全身状態が悪く、腎生検を施行できない。正常ヒト糸球体組織に患者血清と標識抗ヒトIgG抗体とを反応させた蛍光写真を別に示す。
病態として考えられるのはどれか。
感染病原体が糸球体に沈着
血清中の免疫複合体が糸球体に沈着
破壊された肺の成分が糸球体に沈着
血清中の抗体が糸球体構成成分に結合
糸球体に沈着した流血抗原に血清中の抗体が結合

解答: d

104A47の解説

2週前から続く血尿と血痰とを主訴とする35歳男性。2週間前から出現した血尿、蛋白尿、腎機能低下、浮腫からは急速進行性の腎炎を疑う。正常ヒト糸球体組織に患者血清と標識抗ヒトIgG抗体とを反応させた蛍光写真では、基底膜に沿って線状に沈着していることから抗基底膜抗体と考えられる。よってGoodpasture症候群と診断する。血痰を認め、両側上中肺野にcoarse cracklesを聴取することから、肺出血を合併していると考えられる。
a 感染症ではなく、II型アレルギーによる病態。
b 免疫複合体が関与するのはIII型アレルギーであり、本疾患はII型アレルギーが関与する。
c 糸球体に沈着するのは、抗体である。
d 正しい。抗基底膜抗体が糸球体に沈着している。
e 正常の糸球体の基底膜に対する抗体である。

正答率:68%

テーマ:Goodpasture症候群〈GPS〉の病態

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