104I50

72歳の女性。持続性の強い腹痛を主訴に来院した。6時間前に腹痛が突然出現し、徐々に増強した。表情は苦悶様である。体温37.0℃。呼吸数20/分。脈拍112/分、不整。血圧90/60mmHg。腹部は平坦、軟で、全体に圧痛を認める。血液所見:赤血球480万、Hb 14.8g/dL、Ht 47%、白血球18,700、血小板22万。血液生化学所見:尿素窒素41mg/dL、クレアチニン1.5mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 97mEq/L。CRP 1.5mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.41、PaO2 79Torr、PaCO2 29Torr、HCO3 18mEq/L、BE -5.4mEq/L。腹部造影CTを別に示す。
対応として適切なのはどれか。
副腎皮質ステロイド投与
経肛門的イレウス管挿入
動脈内ステント留置術
経カテーテル的動脈塞栓術〈TAE〉
緊急開腹手術

解答: e

104I50の解説

腹部造影CTでは上腸間膜動脈の遠位部で造影剤流入の途絶を認めており、上腸間膜動脈閉塞症と診断される。
a ステロイドは有効ではない。
b 血流障害によるイレウスも合併しうるが、イレウスの治療は優先されない。
c ステント治療は行われない。
d 肝細胞癌や出血性病変の際に適応となる。
e 正しい。腸管壊死に陥るため緊急疾患である。

正答率:80%

テーマ:上腸間膜動脈塞栓症の治療

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