104G58

次の文を読み、58~60の問いに答えよ。
84歳の男性。両足の痛みを主訴に来院した。
現病歴:3年前から長い距離を歩くと両足が痛くなって休憩するようになった。徐々に歩ける距離が短くなってきた。現在では、自宅から300mのところにある畑まで歩くのに2回休憩する。動悸や労作時の息切れは自覚しておらず、歩行以外で日常生活には支障を感じていない。
既往歴:50歳から糖尿病のため食事療法と経口糖尿病薬の服用とを行っている。
生活歴:喫煙は20本/日を20歳から30年間であったが、その後禁煙している。飲酒は機会飲酒。
現 症:意識は清明。身長160cm、体重51kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧154/82 mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に異常を認めない。心尖部で2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。前脛骨部と足背部とに浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖2+。血液所見:赤血球319万、Hb 7.1 g/dL、Ht 24%、白血球5,800、血小板14万。血液生化学所見:血糖134 mg/dL、HbA1c 6.8%、総蛋白6.2 g/dL、アルブミン3.7 g/dL、尿素窒素25 mg/dL、クレアチニン0.9 mg/dL、尿酸6.4 mg/dL、総コレステロール146 mg/dL、トリグリセリド66 mg/dL、総ビリルビン0.3 mg/dL、直接ビリルビン0.1 mg/dL、AST 17 U/L、ALT 9 U/L、LD 186 U/L(基準176~353)、ALP 242 U/L(基準115~359)、Na 139 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 107 mEq/L。CRP 1.3 mg/dL。下肢MRA(A、B)と腰部単純MRI(C、D)とを別に示す。
主訴と関連する変化が起きているのはどこか。
腎臓
腰椎
脊髄
動脈

解答: b

104G58の解説

間欠的跛行を認めており、鑑別としては末梢動脈疾患や神経病変が挙げられる。下肢MRA(A, B)では血管狭窄や途絶は認めず末梢動脈疾患は除外される。腰部単純MRI(C)ではL4/5の黄色靭帯の肥厚を認め、腰部単純MRI(D)ではL4椎体が右側へずれている。
a 腎臓に明らかな病変は認めない。
b 正しい。脊柱管狭窄症に伴う症状として矛盾しない。
c 脊髄に明らかな病変は認めない。
d 現病歴からは動脈性病変の可能性も十分にあるが、画像所見で否定された。
e 筋に明らかな病変は認めない。

正答率:66%

テーマ:【長文1/3】腰部脊柱管狭窄症の診断

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