103H31

次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
76歳の女性。頭痛、嘔気および嘔吐を訴え、起き上がれないため搬入された。
現病歴:定時に起床しないため家族が訪室したところ、「つらくて起きられない」と訴えた。昨夜は通常通り就寝した。
既往歴:30歳から高血圧の治療を受けている。
生活歴・家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長150 cm、体重38 kg。体温35.7 ℃。脈拍120/分、整。血圧86/64 mmHg。眼瞼結膜に異常を認めない。顔色は不良で、苦悶顔貌。目を閉じて側臥位をとっている。開眼で嘔気が増強する。前胸部で皮膚ツルゴールが低下し、口腔内は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し、臍周囲に圧痛がある。打診では鼓音を認める。
初期対応として適切なのはどれか。
輸液
輸血
抗菌薬投与
利尿薬投与
消炎鎮痛薬投与

解答: a

103H31の解説

ショックバイタルを呈していること、皮膚ツルゴールの低下を認めることから脱水に伴う循環血漿量低下が示唆される。
a 正しい。まずは輸液による血行動態の安定化を図る。
b 眼瞼結膜は異常を認めず、高度の貧血の可能性は低いと考える。
c 現時点で炎症を示唆する病歴は認めない。不必要な抗菌薬投与は耐性菌を生み出す原因である。
d 体液貯留増加を示唆する所見は認めない。
e 除痛は大切ではあるが、現時点でショックバイタルであり優先事項ではない。

正答率:93%

テーマ:【長文1/2】脱水の初期対応

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