103F21

30歳の女性。右眼の痛みを主訴に来院した。3日前から右眼の充血と違和感とがあり改善しない。右眼の眼瞼皮膚に発赤と腫脹とを認めず、眼球結膜に充血を認める。右角膜中央に直径約2mmの白色円形病変を認め、病変の中央はフルオレセインナトリウムで染色される。前房に炎症細胞を認めない。左眼に異常を認めない。
病原体同定のために採取が必要なのはどれか。
涙液
前房水
硝子体液
眼瞼皮膚擦過物
角膜病巣擦過物

解答: e

103F21の解説

30歳女性の右眼の痛み。症状は3日前からみられており、右眼の充血を伴う。前房に炎症細胞を認めないので、病変は角膜のみで眼内へは波及していいないと考えられる。角膜中央の白色円形病変は角膜潰瘍であろう。細菌性角膜潰瘍が考えやすい。
a 涙液を検体として使うのはアレルギー性結膜炎やウイルス感染症で特異的な抗体を測定する場合が多い。
b 前房には炎症が波及しておらず、不適切である。
c b同様、硝子体には炎症が波及していない。
d 眼瞼の炎症は表面の皮膚で起こっているわけではない。
e 正しい。病巣の主座が角膜病巣であると考えられ、その擦過物をグラム染色および培養するのが有効である。

正答率:84%

テーマ:細菌性角膜潰瘍疑いの患者の起因菌検索のため採取すべきもの

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