103D53

44歳の女性。両下腿の静脈怒張と色素沈着とを主訴に来院した。7年前、第2子出産後から下肢の静脈怒張に気付いていた。2年前から色素沈着を伴うようになり疲れやすくなった。実家が美容院を経営し、週に3日手伝っている。身長150 cm、体重62 kg。脈拍72/分、整。血圧122/74 mmHg。両下腿の表在静脈の拡張と蛇行とを認め、茶褐色の色素沈着と硬結とを認める。仰臥位で下肢を挙上すると表在静脈は虚脱する。虚脱させた状態で大腿上部を圧迫し、起立させても静脈の拡張はない。
対応として誤っているのはどれか。
下肢挙上
硬化療法
静脈抜去術
抗凝固薬投与
弾性ストッキング着用

解答: d

103D53の解説

両下腿の静脈怒張と色素沈着が主訴の44歳女性。美容院で勤務していることから下肢静脈瘤を考える。Trendelenburg試験で虚脱後に大腿上部を圧迫し、起立させても静脈の拡張は認めないことから、表在静脈弁不全による一次性静脈瘤と診断する。
a 下肢挙上により下肢のうっ血を改善する。
b・c 一次性静脈瘤に硬化療法や静脈抜去術は治療法の一つである。
d 誤り。抗凝固療法は深部静脈血栓症〈DVT〉に行う治療法。
e 弾性ストッキング着用は静脈瘤の進行を予防できる。

正答率:58%

テーマ:下肢静脈瘤の治療

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