103D39

1歳の男児。発熱と頸部の腫脹とを主訴に来院した。3日前から38 ℃台の発熱が続き、今朝から頸部の腫脹に気付いた。体温38.7 ℃。脈拍144/分、整。眼球結膜に充血を認める。左頸部に径3 cmのリンパ節1個と径2 cmのリンパ節1個とを触知する。前胸部に紅斑を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。右肋骨弓下に肝を2 cm、左肋骨弓下に脾を1 cm触知する。血液所見:赤血球394万、Hb 10.5 g/dL、Ht 33 %、白血球17,400(桿状核好中球8 %、分葉核好中球71 %、好酸球2 %、好塩基球0 %、単球4 %、リンパ球15 %)、血小板43万。血液生化学所見:総蛋白6.2 g/dL、AST 35 U/L、ALT 83 U/L、LD 287 U/L(基準260~530)。CRP 8.7 mg/dL。顔面下部の写真を別に示す。
考えられるのはどれか。
川崎病
悪性リンパ腫
伝染性単核球症
結核性リンパ節炎
Langerhans細胞性組織球症

解答: a

103D39の解説

発熱と頸部腫脹とがある1歳の男児である。眼球結膜の充血、左頸部のリンパ節触知、前胸部紅斑、顔面下部の写真における口唇の紅潮から、川崎病の診断となる。白血球17,400、血小板43万、CRP 8.7 mg/dlも川崎病の炎症によるものであろう。
a 正しい。上記の通り。
b 悪性リンパ腫であればLDHは上昇するはずであり、発熱や皮疹も認めない。
c 白血球分類に異形リンパ球を認めず、伝染性単核球症は否定的。
d 結核性リンパ節炎では眼球結膜の充血が説明できず、皮疹も現れない。
e Langerhans細胞性組織球症にて口唇の紅潮を呈することは考えにくい。

正答率:97%

テーマ:川崎病の診断

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