103B41

2歳の女児。嘔吐と左上下肢のけいれんとを主訴に来院した。生後すぐにFallot四徴症と診断され、1歳の時、Blalock-Taussig短絡手術を受けている。1週前から37 ℃台の発熱が続いていた。来院時、けいれんは消失しているが、左上下肢をうまく動かせない。体温38.5 ℃。血液所見:赤血球590万、Hb 17.4 g/dL、Ht 52 %、白血球12,600(桿状核好中球18 %、分葉核好中球44 %、好塩基球3 %、単球8 %、リンパ球27 %)。CRP 6.8 mg/dL。
この病態でみられるのはどれか。3つ選べ
連続性心雑音
四肢の筋萎縮
下腿浮腫
深部腱反射亢進
Babinski徴候

解答: a,d,e

103B41の解説

Fallot四徴症と診断されている2歳の女児の嘔吐と左上下肢のけいれんである。体温38.5 ℃。白血球12,600(好中球増加)、CRP 6.8 mg/dlであることから、細菌感染が疑われる。けいれんは左上下肢でありFallot四徴症の既往があることから、先天性心疾患に合併した脳膿瘍と考えられる。
a 正しい。高圧系から低圧系へのシャント形成を行うBlalock-Taussig短絡術では、術後に連続性心雑音を生じる。
b 筋萎縮を認めるのは下位運動ニューロンまたは筋の障害である。本患者ではdやeにあるように上位運動ニューロンの障害はみられうるが、下位運動ニューロンは障害されない。
c 心機能が高度に低下して右心不全徴候が前面に出た場合にはみられる可能性はあるが、本文からそこまでは読み取れない。なお、一般的なFallot四徴症ではうっ血性心不全となりにくいことが知られている。
d 正しい。錐体路障害により左上下肢の深部腱反射は亢進する。
e 正しい。錐体路におり左下肢においてBabinski徴候をみとめる。

正答率:69%

テーマ:Fallot四徴症〈TOF〉の症候

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